古来より、大陸では珍重され、皇帝や王族の献上品に使われたり、
玉(ぎょく)の代用で用いられたりしたとも伝わります。
技術的にも非常に繊細な釉薬で、現代においてもいまだ研究、研鑽が続けられ、それだけ魅力的な釉薬で、世界的にも人気があります。
「青磁・青瓷」は<せいじ><おあじ>と二種類の読み方があり、読み方によって表す技法が違います。
<せいじ>
釉(うわぐすり)に含まれる鉄が還元されて,緑青色あるいは黄みを帯びた青色を呈する磁器。
中国で発達し,安南・朝鮮・日本などに伝わった。
<あおじ>
平安時代に焼かれた,緑釉(りよくゆう)・三彩などの彩釉陶器
この様に分類されます。
ここでは、<せいじ>のお話をしたいと思います。
青磁は、中国で開発(発見)されたとされ、殷時代(紀元前17世紀頃 - 紀元前1046年)に灰釉の化学変化により偶然発見されたと伝わります。当時の人々はその碧さに魅せられ、以来2000年以上中国だけではなく、日本を含む世界中の人々を惹きつけ続けています。
古代において、玉(ぎょく)〔翡翠等の緑青色~深緑色の宝石〕は「徳」が結晶して出来たものといわれ、それを身に着ける事で自身にも徳が備わると考えられていました。しかし、当時から上質の玉は非常に高級で、庶民は勿論、貴族でもなかなか手に入るものではありませんでした。(これは、現在でも変りはなく、上質の翡翠などは非常に高額で取引されています)
そのような人々の玉への憧れから、代用品として青磁を求め発展させたと言う説もあります。
そして、後になり、その美しい透明感、清廉性のある色味等から、儒教思想と結びつき大陸、朝鮮半島へと伝わり、日本でも人気となりました。
現代でも、作家や窯元等が制作・研究を行われています。
「青磁は一生研究」と言われ、添加する原料によりガラリと景色が変り、同じ原料でもほんの少し分量が違うだけでも全く違うものになったりと、非常に繊細な釉薬でもあります。
その分作家・窯元の個性を表現しやすく、魅力的な釉薬でもあります。
そして、単味の釉薬であるが故に、轆轤などの成形の技術の良し悪しが判ってしまいます。
日本における青磁の名品とされる物の一つに、東京国立博物館収蔵の青磁の盌(わん・さん)
銘「馬蝗絆」(ばこうはん)※重要文化財
があります。
参考:Wikipedia<青磁><高麗青磁>