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磁器と陶器

焼き物には大きく分けて「磁器」「陶器」に分けられます。
初心者の方によく聞かれる一つに

「陶器と磁器の違いは何ですか?」

と言うのがあります。
今回は、少し解り易く少し専門的なことも含め説明したいと思います。

【磁器】
主だった産地
有田等の九州一円九谷景徳鎮等東アジア圏ロイヤル・コペンハーゲン、マイセン等のヨーロッパに多い

【陶器】
主だった産地
信楽丹波東南アジア(バッチャン等)、南~中東~西アジア(ラスター彩等)、アフリカ、アメリカ等

歴史的に見ると磁器よりも、陶器の方が遥か昔より作られていたことがわかります。
日本では縄文土器、弥生土器、須恵器なども、大きな括りでは陶器の分類に入り、中国等いわゆる四大文明の発展した地では更に古い時代より作られていました。

磁器は、記録に残っているものを調べると、後漢時代に青磁が生産されていた事が解る文献があり、少なくともそれ以前には開発されていた。
しかし世界的な広がりを考えた場合、日本には安土桃山時代末期、豊臣秀吉の朝鮮出兵の折、朝鮮より陶工達を連れ戻ったのが始りとなり、ヨーロッパなどでは16世紀頃中国よりシルクロードを通じ、伝わったとされています。

さて、陶器と磁器の簡単な見分け方ですが、
磁器の場合、生地(素地)が「白く透明感がある」
陶器は、「茶色や卵色等で透明感が無い」
雑な括り方ですが単純に括るとこうなります。
後は焼成温度や、作り方によって違いはありますが、指で弾くと高音がするのが磁器鈍い音がするのが陶器です。

専門的な分類、知識等は以下を参照してみて下さい。
Wikipedia:磁器
Wikipedia:陶磁器
『陶器と磁器の違いは?』
土岐市:磁器と陶器の違いは

京焼・清水焼は陶器、磁器両方生産されている全国的にも珍しい産地です。
これは、京都の街風として求められるで出来るものは何でも作るという気風のせいかもしれません。
京都は、基本的に陶土(陶器を作る為の土)、磁土(磁器を作る為の土)の産出が無く、材料を輸入し生成するためこれと言った特徴が無い産地です。
言い方を変えると、あらゆる材料を手に入れあらゆるものを作ることの出来る産地とも言えます。
正直、他産地のものよりも価格は高く、高級品の分類になるかもしれません。
しかし職人が一つ一つ手作りしている為、陶器独特の土のぬくもり、磁器特有の美しさを感じることが出来ます。
是非一度、お手に取り感じてみて下さい。

各百貨店にも楽只苑で取扱う商品を出品しています。